● 1993.6大阪大学医学部附属病院 第二外科 研修医
● 1994.6大阪逓信病院 外科
● 1997.4 大阪大学大学院医学系研究科 入学
● 2001.3 大阪大学大学院医学系研究科卒業 医学博士
「ホルマリン固定標本からの適正なRNA抽出法の確立に関する基礎研究と、n0乳癌における腋窩リンパ節微小転移の臨床学的意義に関する研究」
● 2001.4 市立堺病院 外科医長(乳腺専門医として赴任)
看護師・薬剤師・診療放射線技師などのメディカルスタッフとチーム医療を創設
マンモグラフィー併用検診の推進のため、読影講習会の講師として、週末は全国を駆け巡る
● 2003.5 国立病院機構 大阪医療センター 外科 医師
● 2013.4 国立病院機構 大阪医療センター 外科 医長・乳腺外科 科長
臨床試験や新規薬剤の開発治験に積極的に取り組む
術前化学療法後、浸潤癌遺残を有する症例に、新規薬剤を追加する新しい治療概念の有用性を臨床試験で初めて証明(CREATE-X/JBCRG-04試験)
● 2021.10名古屋大学大学院医学系研究科 病態外科学講座 乳腺・内分泌外科学 教授
● 2024.4 京都大学大学院医学研究科 外科学講座 乳腺外科学 教授
ようこそ乳腺外科ホームページへ
みなさまはじめまして、2024年4月に乳腺外科教授/科長に、着任いたしました増田慎三です。
初代、戸井雅和名誉教授が築いてこられました乳腺外科教室を引く継ぐ機会をいただき、大変光栄でありますとともに重責を感じております。
私は、1993年に大阪大学を卒業、「がん治療の臨床医」を志し、外科の道を歩みました。
診断から手術、そして薬物療法と幅広く、そして長くひとり一人の患者さんやご家族と一緒に治療やケアに携われる乳癌診療に早くから興味を持ち、専門性を高めてまいりました。
4年間の大学院での基礎研究以外は、一般市中病院の臨床の第一線で多くの乳癌治療の経験を積み重ねてきました。患者さんからの声が、臨床試験の糧となり、標準治療では満足せず、少しでも一人一人に合った個別化治療の適応や、一方で、同等の治療成績であれば少しでも副作用を軽減し、負担の少ない治療法を求めたりと、多くの臨床試験を計画、遂行し、新しいエビデンスの創出に努めてまいりました。
乳癌は女性がんの中で最も罹患率が高く、年間約10万人が新しく診断されています。乳房健康への関心の高まりもあって、ブレストアウェアネスの概念が浸透し、早期の非浸潤癌の段階で発見される機会も増えました。
生物学的特徴(バイオロジ―)に関する研究も進み、それぞれに有効な治療法(薬物)の進歩から、治療成績は改善、5年生存率は90%を優に超える時代になりました。
ゆえに、単に”治癒”を目指すのではなく、“よりよい生活“を得ることが次のステップの目標となっています。同時に、高リスクの方への予防医療も広がってきました。
最初の乳がん患者さんを主治医として担当させていただいてからちょうど30年を超えました。多くの患者さんとの出会いから、長年培った知識と経験に基づき、お一人おひとりに最適な診断と治療を提案できるものと思います。
常により良いものを目指す臨床試験や新規薬剤の開発治験にも一緒に取り組みましょう。スタッフは診療に有益なシーズ(種)を求めて、基礎研究にも頑張ってくれています。安心感のある医療・ひとりひとりに寄り添うやさしい信頼の医療をとおして、多くの方に笑顔をお届けできればと願っています。
乳がん治療における次世代の育成に貢献
患者数増、複雑化する乳がん診療を担う乳腺専門医やそれを支えるメディカルスタッフがまだまだ不足している状況です。乳腺診療に興味を持つ若い世代が集うことを期待しています。
私のこれまでの経験を伝え、そして、新しい柔軟なアイデアを取り込みながら、是非一緒に未来の乳腺診療を創造していきましょう。次世代育成をとおして、がん医療の進歩に少しでも貢献したいと考えています。